小児でVolkmann拘縮を起こしやすいのはどれか。
- 上腕骨顆上骨折
- 上腕骨外顆骨折
- 上腕骨近位部骨折
- 上腕骨骨幹部骨折
- 上腕骨内側上顆骨折
解答解説
正解は1. 上腕骨顆上骨折です。
解説
Volkmann拘縮は、前腕の筋群が虚血性壊死を起こすことによって発生する拘縮です。これにより、手関節や指が屈曲位に固定される重度の障害が生じます。小児における上腕骨顆上骨折はVolkmann拘縮の原因として最も多いです。
上腕骨顆上骨折とVolkmann拘縮の関係
- 上腕骨顆上骨折は小児に多く見られる骨折で、肘関節周囲の解剖学的構造が密集しているため、骨折時に前腕の血管や神経が圧迫されやすいです。
- 上腕動脈の損傷や圧迫により前腕筋群への血流が遮断され、筋壊死を引き起こすことがVolkmann拘縮の直接的な原因となります。
他の選択肢との比較
- 上腕骨外顆骨折(誤り)
- 外顆骨折は肘の外側に発生する骨折で、外側側副靭帯や外顆付近の骨構造に影響を与えますが、血管圧迫によるVolkmann拘縮は一般的に起こりません。
- 上腕骨近位部骨折(誤り)
- 近位部骨折は肩に近い部分の骨折であり、血管圧迫が起こりにくく、Volkmann拘縮との関係性は低いです。
- 上腕骨骨幹部骨折(誤り)
- 骨幹部骨折では主に橈骨神経損傷が問題となりますが、前腕筋群の虚血性壊死は起こりにくいです。
- 上腕骨内側上顆骨折(誤り)
- 内側上顆骨折では尺骨神経損傷が主な問題ですが、Volkmann拘縮を引き起こす頻度は高くありません。
ワンポイントアドバイス
上腕骨顆上骨折は小児の肘周囲骨折で最も多く、Volkmann拘縮のリスクが高い重要な骨折です。骨折後には前腕の血行状態や神経症状を注意深く観察し、早期発見と適切な治療が必要です。この組み合わせは試験でも頻出なので、確実に覚えておきましょう。