第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題99

アルコール依存症患者の断酒継続に有効とされるのはどれか。

  1. 催眠療法
  2. 集団療法
  3. 自律訓練法
  4. 来談者中心療法
  5. 修正型電気けいれん療法

解答解説

正解は2.集団療法です。

アルコール依存症の治療では、断酒の継続が重要です。集団療法では同じ問題を抱える仲間と共に話し合い、支え合うことができるため、断酒の動機付けを強化しやすくなります。アルコール依存症の治療において、アルコール依存症者自助グループ(AA:アルコホーリクス・アノニマス)などの集団療法は特に有効とされています。

選択肢の解説

  1. 催眠療法
    催眠療法は、心因性の問題に対する治療として用いられることがありますが、アルコール依存症の断酒継続においては一般的ではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 集団療法
    同じアルコール依存症を持つ人たちが集まり、体験を共有し、互いに支え合うことで断酒の継続を助けます。これにより孤独感を和らげ、断酒の意欲を高めることができます。この選択肢が正解です。
  3. 自律訓練法
    自律訓練法はストレス管理やリラクゼーションに用いられますが、アルコール依存症の主な治療法ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 来談者中心療法
    来談者中心療法(カール・ロジャーズによる)は、カウンセリングの一環として用いられることがありますが、断酒継続には集団療法の方が有効です。この選択肢は誤りです。
  5. 修正型電気けいれん療法
    電気けいれん療法(ECT)は重症うつ病や統合失調症に対する治療法であり、アルコール依存症の断酒継続には一般的に用いられません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

アルコール依存症治療の重要ポイント:

  • 心理社会的治療が中心(集団療法、認知行動療法など)。
  • 自助グループ(AA):仲間の支えを得ることで断酒継続を助ける。
  • 身体的依存の離脱後も、精神的依存への対応が必要。
    これらを押さえることで、アルコール依存症の治療方法を理解できます。