第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題44

重症筋無力症患者の QMG score〈Quantitative Myasthenia Gravis score〉に含まれる評価はどれか。2つ選べ。

  1. 意識状態
  2. 嚥下機能
  3. 感覚障害
  4. 眼球運動
  5. 排尿機能

解答解説

正解は 2. 嚥下機能4. 眼球運動 です。

QMGスコアは、重症筋無力症(MG)の症状を定量的に評価するための指標で、運動機能や筋力の評価に重点を置いています。嚥下機能は、球麻痺症状の評価として重要であり、眼球運動は眼筋麻痺の程度を評価するため含まれます。一方、意識状態、感覚障害、排尿機能はMGでは直接関与しないため含まれません。

各選択肢の解説

  1. 意識状態
    MGは筋力の異常が主症状であり、意識障害は通常みられません。そのためQMGスコアには含まれません。
  2. 嚥下機能(正解)
    嚥下機能はMGの主要な球麻痺症状の一つであり、患者の生活の質に大きく影響するため、QMGスコアで評価されます。
  3. 感覚障害
    MGは運動ニューロンに関連した疾患であり、感覚神経は通常影響を受けません。そのため感覚障害の評価はQMGスコアに含まれません。
  4. 眼球運動(正解)
    眼球運動の制限はMGでよくみられる症状であり、特に眼筋型MGでは重要な評価項目です。QMGスコアには眼球運動の項目が含まれます。
  5. 排尿機能
    排尿機能は自律神経障害と関連する症状であり、MGの特徴的な症状ではありません。そのためQMGスコアには含まれません。

ワンポイントアドバイス

QMGスコアは、MGの症状を客観的に把握するために、筋力や運動機能を中心とした13の項目で構成されています。眼球運動や嚥下機能以外にも、四肢筋力や頚部の筋力、呼吸機能などが評価対象です。MGの病態に関連する症状に焦点を当てて覚えましょう。