ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染で生じにくいのはどれか。
- 末神経障害
- 無菌性髄膜炎
- Creutzfeldt-Jakob病
- ニューモシスチス肺炎
- 進行性多巣性白質脳症〈PML〉
解答解説
正解は3.Creutzfeldt-Jakob病です。
HIV感染により免疫が低下すると、多くの感染症や神経疾患が発症しますが、Creutzfeldt-Jakob病(CJD)はプリオン病に分類され、HIV感染との関連はほとんどありません。他の選択肢に挙げられた疾患は、HIV感染者で一般的に見られる合併症です。
選択肢の解説
- 末神経障害
HIV感染では、直接的なウイルスの作用や治療薬の副作用、免疫低下による神経障害が発生することがあります。この選択肢は生じやすいため誤りです。 - 無菌性髄膜炎
HIVの急性期には、無菌性髄膜炎(頭痛、発熱、頸部硬直を伴う)が発症することがあります。この選択肢は生じやすいため誤りです。 - Creutzfeldt-Jakob病
CJDはプリオンによる疾患であり、HIV感染との関連性はほとんどありません。この選択肢が正解です。 - ニューモシスチス肺炎
ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis jirovecii感染)は、HIV感染による免疫低下により引き起こされる代表的な日和見感染症です。この選択肢は生じやすいため誤りです。 - 進行性多巣性白質脳症〈PML〉
PMLは、HIV感染による免疫低下で発症するJCウイルス感染症の一つであり、中枢神経系に重大な影響を与えます。この選択肢は生じやすいため誤りです。
ワンポイントアドバイス
HIV感染による合併症を整理しましょう:
- 感染症:ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、トキソプラズマ症、結核など。
- 神経系疾患:末神経障害、PML、HIV関連認知症(HAND)。
- 腫瘍:カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫など。
HIV感染と関連の薄い疾患(例:プリオン病やパーキンソン病)を除外することがポイントです。