第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題86

一次性の変形性関節症にみられるのはどれか。2つ選べ。

  1. ボタン穴変形
  2. Charcot関節
  3. Bouchard結節
  4. Heberden結節
  5. スワンネック変形

解答解説

正解は3.Bouchard結節4.Heberden結節です。

一次性の変形性関節症(OA)は、加齢や過度の関節使用などによる関節軟骨の変性が主な原因です。手指の変形として特徴的に現れるのが、Bouchard結節(近位指節間関節[PIP]に発生)Heberden結節(遠位指節間関節[DIP]に発生)です。

選択肢の解説

  1. ボタン穴変形
    ボタン穴変形は、関節リウマチに特徴的な変形であり、PIP関節の屈曲とDIP関節の過伸展を呈します。一次性変形性関節症にはみられません。この選択肢は誤りです。
  2. Charcot関節
    Charcot関節は、糖尿病性神経障害や梅毒による神経障害に伴う関節の変形であり、変形性関節症とは異なります。この選択肢は誤りです。
  3. Bouchard結節
    Bouchard結節は変形性関節症のPIP関節に現れる骨性隆起で、典型的な症状の一つです。この選択肢が正解です。
  4. Heberden結節
    Heberden結節は変形性関節症のDIP関節に現れる骨性隆起で、Bouchard結節と並んで代表的な変形の一つです。この選択肢が正解です。
  5. スワンネック変形
    スワンネック変形は関節リウマチに特徴的な変形で、PIP関節の過伸展とDIP関節の屈曲を呈します。一次性変形性関節症にはみられません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

変形性関節症(OA)と関節リウマチ(RA)の特徴を区別することが重要です:

  • 変形性関節症(OA)
    • Bouchard結節(PIP関節)。
    • Heberden結節(DIP関節)。
  • 関節リウマチ(RA)
    • ボタン穴変形(PIP屈曲+DIP伸展)。
    • スワンネック変形(PIP伸展+DIP屈曲)。
      これらを理解することで、問題に正確に対応できるようになります。