第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題58

動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。

  1. 総頸動脈――胸鎖乳突筋の前縁
  2. 上腕動脈――上腕二頭筋腱の外側縁
  3. 橈骨動脈――前腕掌側面の内側近位部
  4. 大動脈――鼠径部の腸腰筋の外側
  5. 足背動脈――外果の後方

解答解説

正解は1.総頸動脈――胸鎖乳突筋の前縁です。

総頸動脈は、胸鎖乳突筋の前縁に位置し、頸部での脈拍触知部位として重要です。頭部や脳への血流供給を担う主要な動脈の一つであり、緊急時に確認されることが多いです。

選択肢の解説

  1. 総頸動脈――胸鎖乳突筋の前縁
    正しい組み合わせです。総頸動脈は、胸鎖乳突筋の前縁付近、喉頭隆起の外側で触知できます。この部位は脈拍確認に使用される重要な場所です。
  2. 上腕動脈――上腕二頭筋腱の外側縁
    上腕動脈は、肘窩で上腕二頭筋腱の内側に位置します。血圧測定時に触知される動脈です。この選択肢は誤りです。
  3. 橈骨動脈――前腕掌側面の内側近位部
    橈骨動脈は、前腕掌側面の外側(橈側)で触知されます。内側ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 大動脈――鼠径部の腸腰筋の外側
    鼠径部で触知されるのは大腿動脈で、大動脈ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 足背動脈――外果の後方
    足背動脈は足背で触知されます。外果の後方に位置するのは後脛骨動脈です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

動脈の触知部位を覚える際には以下のポイントを意識しましょう:

  • 総頸動脈:胸鎖乳突筋の前縁。頸部脈拍確認の第一選択。
  • 上腕動脈:肘窩の上腕二頭筋腱内側。血圧測定時に重要。
  • 橈骨動脈:前腕掌側外側(橈側)。最も簡便に確認可能。
  • 足背動脈:足背(第1・第2中足骨間の近位部)。末梢循環の評価に使用。
    これらの部位を図で確認しながら覚えると理解が深まります。