第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題84

筋量減少が診断基準に含まれるのはどれか。

  1. フレイル
  2. サルコペニア
  3. ポストポリオ症候群
  4. メタボリックシンドローム
  5. ロコモティブシンドローム

解答解説

正解は2.サルコペニアです。

サルコペニアは、加齢や疾患に伴う筋量減少と筋力低下、身体機能低下を特徴とする症候群です。診断には筋量、筋力、身体機能の3つが評価され、筋量減少はその重要な基準の一つです。

選択肢の解説

  1. フレイル
    フレイルは高齢者の心身の脆弱性を指し、筋量減少が伴う場合もありますが、診断基準には含まれていません。この選択肢は誤りです。
  2. サルコペニア
    サルコペニアは筋量減少が診断基準に含まれる疾患です。筋力低下や歩行速度の低下も併せて診断されます。この選択肢が正解です。
  3. ポストポリオ症候群
    ポストポリオ症候群は、過去にポリオを罹患した患者が後年に筋力低下や疲労を呈する症候群です。筋量減少が診断基準に含まれるわけではありません。この選択肢は誤りです。
  4. メタボリックシンドローム
    メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積、血糖異常、高血圧、脂質異常などの複合状態を指し、筋量減少は関連しません。この選択肢は誤りです。
  5. ロコモティブシンドローム
    ロコモティブシンドロームは運動器の障害による移動機能低下を指し、筋力低下が評価されることはありますが、筋量減少そのものが診断基準に含まれるわけではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

筋量減少に関連する症候群を整理しましょう:

  • サルコペニア:筋量減少+筋力低下や身体機能低下が診断基準。
  • フレイル:筋力や活動能力低下を含むが、診断基準には筋量減少は直接含まれない。
  • ロコモティブシンドローム:移動機能に重点。
    各疾患・症候群の違いを理解することで、問題に正確に対応できます。