痙縮の治療に用いられるボツリヌス毒素の作用部位はどれか。
- 筋小胞体
- 脊髄前角
- 脊髄前根
- 運動神経終末
- 脊髄後根神経節
解答解説
正解は4.運動神経終末です。
ボツリヌス毒素は運動神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を阻害することで筋収縮を抑制します。これにより、痙縮の原因となる過剰な筋緊張を軽減する効果があります。
選択肢の解説
- 筋小胞体
筋小胞体は筋細胞内に存在し、カルシウムイオンの貯蔵や放出に関与します。ボツリヌス毒素の作用部位ではありません。この選択肢は誤りです。 - 脊髄前角
脊髄前角は運動ニューロンの細胞体が存在する部位です。ボツリヌス毒素はここには作用せず、神経終末でのアセチルコリン放出を阻害します。この選択肢は誤りです。 - 脊髄前根
脊髄前根は運動神経が脊髄から出て行く部分ですが、ボツリヌス毒素の作用部位は運動神経終末であるため、この選択肢は誤りです。 - 運動神経終末
ボツリヌス毒素は運動神経終末でアセチルコリンの放出を阻害します。これにより、筋肉の過剰な収縮を抑制します。この選択肢が正解です。 - 脊髄後根神経節
脊髄後根神経節は感覚神経の細胞体が存在する部位であり、ボツリヌス毒素の作用部位ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
ボツリヌス毒素の作用を理解するポイント:
- 作用部位:運動神経終末。
- 作用機序:アセチルコリン放出を阻害→筋収縮抑制→痙縮軽減。
- 治療効果:痙縮改善、痛みの軽減、可動域の向上。
ボツリヌス毒素は脳卒中後の痙縮や脳性麻痺の治療にも使用される重要な薬剤です。この機序を覚えておくと、神経筋系の問題に対応しやすくなります。