第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題75

がんとその原因となる病原体との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 膀胱癌――ヘリコバクター・ピロリ菌
  2. 肝細胞癌――B型肝炎ウイルス
  3. 子宮頸癌――ヒトパピローマウイルス
  4. 成人T細胞白血病――Epstein-Barrウイルス
  5. 慢性骨髄性白血病――HTLV-I

解答解説

正解は2.肝細胞癌――B型肝炎ウイルス3.子宮頸癌――ヒトパピローマウイルスです。

特定の病原体はがんの発生に関連しており、その多くが感染症を引き起こした後、長期間にわたりがん化に影響を与えます。以下は正しい組合せの説明です。

選択肢の解説

  1. 膀胱癌――ヘリコバクター・ピロリ菌
    ヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんやMALTリンパ腫の原因として知られていますが、膀胱がんとの関連はありません。この選択肢は誤りです。
  2. 肝細胞癌――B型肝炎ウイルス
    B型肝炎ウイルス(HBV)感染は、肝硬変や肝細胞癌の原因になります。また、C型肝炎ウイルス(HCV)も肝細胞癌の原因として知られています。この選択肢が正解です。
  3. 子宮頸癌――ヒトパピローマウイルス
    ヒトパピローマウイルス(HPV)は、特に16型と18型が子宮頸癌の発生に深く関連しています。この選択肢が正解です。
  4. 成人T細胞白血病――Epstein-Barrウイルス
    成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-I(ヒトT細胞白血病ウイルスI型)によるものです。Epstein-Barrウイルスは、バーキットリンパ腫やホジキンリンパ腫、鼻咽頭がんに関連します。この選択肢は誤りです。
  5. 慢性骨髄性白血病――HTLV-I
    慢性骨髄性白血病(CML)はHTLV-Iとは無関係であり、染色体異常(フィラデルフィア染色体)が主な原因です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

がんと病原体の関連を整理して覚えましょう:

  • 肝細胞癌:B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)。
  • 子宮頸癌:ヒトパピローマウイルス(HPV)。
  • 胃がん:ヘリコバクター・ピロリ菌。
  • 成人T細胞白血病:HTLV-I(ヒトT細胞白血病ウイルスI型)。
  • バーキットリンパ腫・鼻咽頭がん:Epstein-Barrウイルス(EBV)。
    これらの関係を覚えると試験での正答率が上がります。