第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題70

肩関節外転150°の時の肩甲上腕関節外転角度で正しいのはどれか。

  1. 40°
  2. 60°
  3. 80°
  4. 100°
  5. 120°

解答解説

正解は4.100°です。

肩関節の外転運動は、肩甲上腕関節(上腕骨と肩甲骨の関節)の動きと、肩甲胸郭関節(肩甲骨の動き)の連動によって成り立っています。この比率をスキャプラヒューメラルリズム(2:1の比率)といい、外転150°の場合、肩甲上腕関節が約100°、肩甲胸郭関節が約50°の動きで構成されます。

選択肢の解説

  1. 40°
    外転150°の際、肩甲上腕関節の外転角度はこの値より大きいです。この選択肢は誤りです。
  2. 60°
    外転150°では、肩甲上腕関節はこの角度よりもさらに動きます。この選択肢は誤りです。
  3. 80°
    スキャプラヒューメラルリズムから計算すると、肩甲上腕関節は外転150°の際に約100°動きます。この選択肢は誤りです。
  4. 100°
    肩関節の外転150°は、肩甲上腕関節の約100°と肩甲胸郭関節の約50°によって構成されます。この選択肢が正解です。
  5. 120°
    外転150°の際、肩甲上腕関節はこの値に達しません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

スキャプラヒューメラルリズムを理解して肩関節の動きを整理しましょう:

  • 外転運動の比率:肩甲上腕関節(2):肩甲胸郭関節(1)。
  • 例:外転90°の場合 → 肩甲上腕関節60°、肩甲胸郭関節30°。
  • 例:外転150°の場合 → 肩甲上腕関節100°、肩甲胸郭関節50°。
    これを覚えることで、肩関節の外転や挙上の問題に対応できます。