栄養管理について正しいのはどれか。
- 成人では毎日体重1kgあたり0.1g以上のタンパク質を摂取するのがよい。
- BMIが22.5未満の場合、栄養障害があると判定する。
- 低栄養になると血中総リンパ球数が増加する。
- 発熱時には、エネルギー必要量が増加する。
- 重度熱傷では、尿中窒素排泄量が減少する。
解答解説
正解は4.発熱時には、エネルギー必要量が増加するです。
発熱は代謝を亢進させ、基礎代謝率が上昇します。これにより、エネルギー必要量が増加します。特に、1℃の体温上昇に対してエネルギー消費量が約10%増加するとされています。
選択肢の解説
- 成人では毎日体重1kgあたり0.1g以上のタンパク質を摂取するのがよい。
成人では通常、体重1kgあたり約0.8~1.0gのタンパク質が必要とされています。0.1gは極端に少ない値であり、この選択肢は誤りです。 - BMIが22.5未満の場合、栄養障害があると判定する。
BMIは22が標準とされますが、22.5未満で必ずしも栄養障害があるとは限りません。通常、栄養障害の指標としてはBMI18.5未満が低栄養とされます。この選択肢は誤りです。 - 低栄養になると血中総リンパ球数が増加する。
低栄養では免疫力が低下し、血中総リンパ球数はむしろ減少します。栄養状態が改善するとリンパ球数が回復することが知られています。この選択肢は誤りです。 - 発熱時には、エネルギー必要量が増加する。
発熱により代謝が亢進し、エネルギー消費量が増加します。これは正しい選択肢です。 - 重度熱傷では、尿中窒素排泄量が減少する。
重度熱傷では高代謝状態となり、筋タンパク質が分解されるため、尿中窒素排泄量が増加します。これは、異化作用が亢進するためです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
栄養管理の基本として、発熱や外傷、熱傷など代謝が亢進する状態ではエネルギー必要量が増加することを覚えておきましょう。また、低栄養の評価指標にはBMI18.5未満や血清アルブミン値3.5g/dL未満が用いられる点も押さえておくとよいです。