身体活動のエネルギー代謝で誤っているのはどれか。
- 20分以上の有酸素運動では脂質より糖質が利用される。
- 筋収縮エネルギーとしてATPが利用される。
- 無酸素性閾値は心肺負荷試験で算出できる。
- 最大酸素摂取量は運動持久力を反映する。
- グリコーゲンの解糖により乳酸を生じる。
解答解説
正解は1.20分以上の有酸素運動では脂質より糖質が利用されるです。
20分以上の有酸素運動では、エネルギー源として脂質の割合が増加します。運動開始直後は糖質(グリコーゲン)が主に利用されますが、持続する有酸素運動では脂質が徐々に優位になり、エネルギー効率を高めます。
選択肢の解説
- 20分以上の有酸素運動では脂質より糖質が利用される。
長時間の有酸素運動では、糖質(グリコーゲン)よりも脂質が主に利用されるため、この選択肢は誤りです。 - 筋収縮エネルギーとしてATPが利用される。
筋収縮には直接的にATP(アデノシン三リン酸)が必要です。ATPは分解されてエネルギーを放出します。この選択肢は正しいです。 - 無酸素性閾値は心肺負荷試験で算出できる。
無酸素性閾値(AT:Anaerobic Threshold)は、心肺負荷試験中に乳酸が急激に増加し始める運動強度で評価できます。この選択肢は正しいです。 - 最大酸素摂取量は運動持久力を反映する。
最大酸素摂取量(VO₂max)は、運動時に体が取り込むことのできる酸素の最大量を示し、運動持久力の指標となります。この選択肢は正しいです。 - グリコーゲンの解糖により乳酸を生じる。
グリコーゲンが解糖されると、ピルビン酸が生成され、無酸素条件下では乳酸が生成されます。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
エネルギー代謝のポイントを整理しましょう:
- 短時間・高強度運動:主に糖質(グリコーゲン)を利用。
- 長時間・有酸素運動:脂質利用が増加し、糖質節約が働く。
- ATPの供給経路:即効性(ATP-CP系)→糖質代謝(解糖系)→脂質代謝(酸化系)。
運動の強度と持続時間に応じたエネルギー供給機構を理解すると、解答しやすくなります。