第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題53

骨について正しいのはどれか。

  1. 皮質骨は骨梁から形成される。
  2. 幼児期の骨髄は黄色骨髄である。
  3. 海綿骨の表面は骨膜で覆われている。
  4. 皮質骨にはHavers(ハバース)管が存在する。
  5. 骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。

解答解説

正解は4.皮質骨にはHavers(ハバース)管が存在するです。

皮質骨には、骨に栄養を供給する血管が通る細管構造であるHavers管が存在します。Havers管は骨の強度を維持しつつ、血液供給を行うために重要です。

選択肢の解説

  1. 皮質骨は骨梁から形成される。
    骨梁(骨小柱)は主に海綿骨を構成する要素で、皮質骨とは異なります。皮質骨は緻密骨とも呼ばれ、骨梁ではなく骨単位(オステオン)で構成されています。この選択肢は誤りです。
  2. 幼児期の骨髄は黄色骨髄である。
    幼児期の骨髄は主に赤色骨髄で、造血機能を担います。成長とともに脂肪化し、黄色骨髄に置き換わります。この選択肢は誤りです。
  3. 海綿骨の表面は骨膜で覆われている。
    骨膜は主に皮質骨の外表面を覆う膜です。一方、海綿骨は骨膜ではなく、関節軟骨や骨髄に面している部分があります。この選択肢は誤りです。
  4. 皮質骨にはHavers(ハバース)管が存在する。
    皮質骨には骨単位(オステオン)があり、その中心をHavers管が走っています。Havers管には血管や神経が通り、骨組織に栄養と酸素を供給します。この選択肢が正解です。
  5. 骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。
    プロテオグリカンは、軟骨の基質成分として豊富に存在し、関節の滑らかな動きを支えます。骨にはプロテオグリカンは少なく、主にコラーゲンやカルシウム塩を含みます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

骨の構造と特徴を整理して覚えましょう:

  • 皮質骨:Havers管があり、硬くて緻密な構造。
  • 海綿骨:骨梁から構成され、軽量化に寄与。
  • 骨髄:幼児期は赤色骨髄、成長とともに黄色骨髄へ変化。
    骨と軟骨の成分や役割の違いを理解しておくと、試験対策に役立ちます。