第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題64

肺拡散能に影響を与えるのはどれか。2つ選べ。

  1. ヘモグロビン
  2. 死腔換気量
  3. 肺胞表面積
  4. 気道抵抗
  5. 残気量

解答解説

正解は 1. ヘモグロビン, 3. 肺胞表面積 です。

肺拡散能は、肺胞と毛細血管の間で酸素と二酸化炭素がどれだけ効率的に拡散できるかを示す指標です。拡散能に影響を与える主な要因として、肺胞表面積の広さや血中ヘモグロビン量が挙げられます。肺胞表面積が広いほど、またヘモグロビン量が多いほど、ガス交換効率が向上します。

各選択肢の解説

  1. ヘモグロビン(正解)
    ヘモグロビンは酸素と結合して血中に酸素を運搬する役割を持ちます。血中のヘモグロビン濃度が低いと、酸素運搬能力が低下し、結果として拡散能にも影響を及ぼします。
  2. 死腔換気量
    死腔換気量は気道内でガス交換が行われない部分の換気量を指しますが、拡散能そのものには直接的な影響を与えません。
  3. 肺胞表面積(正解)
    肺胞表面積が大きいほど、ガス交換が行われる面積が広がり、拡散能が向上します。肺の病気(例:肺気腫など)によって肺胞の破壊が起こると、肺胞表面積が減少し、拡散能が低下します。
  4. 気道抵抗
    気道抵抗は気流に対する抵抗を指し、主に換気量に影響しますが、ガス交換の効率(拡散能)には直接的な影響を与えません。
  5. 残気量
    残気量は最大呼気の後も肺内に残る空気量であり、換気効率に関わりますが、拡散能には直接関係しません。

ワンポイントアドバイス

肺拡散能に影響を与える要因としては、肺胞表面積血液の流れ、およびヘモグロビン量が重要です。特に、肺疾患によって肺胞が減少すると拡散能が低下し、ガス交換が悪化します。