第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題59

視覚器で誤っているのはどれか。

  1. 虹彩と水晶体の間を前眼房という
  2. 眼房水は毛様体上皮から産生される
  3. 眼房水は強膜静脈洞へ吸収される
  4. 毛様体筋が収縮すると毛様体小体は弛緩する
  5. 毛様体小体が弛緩すると水晶体は厚くなる

解答解説

正解は 1. 虹彩と水晶体の間を前眼房という です。

虹彩と水晶体の間の部分は後眼房であり、前眼房は虹彩と角膜の間の空間を指します。そのため、この記述は誤りです。他の選択肢は正しい内容です。

各選択肢の解説

  1. 虹彩と水晶体の間を前眼房という(誤り)
    虹彩と水晶体の間は後眼房です。一方、前眼房は虹彩と角膜の間の空間であり、眼房水が循環する領域です。
  2. 眼房水は毛様体上皮から産生される
    眼房水は毛様体上皮から分泌され、目の内部圧(眼圧)の維持や栄養供給に重要です。
  3. 眼房水は強膜静脈洞へ吸収される
    眼房水は前眼房からシュレム管(強膜静脈洞)へ流れ込み、最終的に静脈系へ吸収されます。この吸収過程が眼圧の調整に重要です。
  4. 毛様体筋が収縮すると毛様体小体は弛緩する
    毛様体筋の収縮により、毛様体小体(チン小帯)は弛緩します。これにより水晶体が厚くなり、近くを見る調節が可能になります。
  5. 毛様体小体が弛緩すると水晶体は厚くなる
    毛様体小体の弛緩によって水晶体は自然な厚みを保ち、近くを見る際のピント調節に適します。

ワンポイントアドバイス

視覚器の構造は、眼房(前眼房と後眼房)の区分や毛様体筋の作用による水晶体の厚さ調節のメカニズムを正確に理解することが重要です。眼房水の循環経路やシュレム管の役割も、眼圧調節との関連で押さえておきましょう。