反回神経で正しいのはどれか。
- 味覚を伝える
- 交感神経線維を含む
- 横隔神経から分枝する
- 輪状甲状筋を支配する
- 左側の走行は右側よりも長い
解答解説
正解は 5. 左側の走行は右側よりも長い です。
反回神経は迷走神経(第X脳神経)の枝で、咽頭・喉頭の運動と感覚を司ります。特に声帯を動かす筋群を支配します。左側の反回神経は大動脈弓を回り込むため、右側の反回神経(右鎖骨下動脈を回り込む)よりも長い走行を持ちます。
各選択肢の解説
- 味覚を伝える
反回神経は味覚には関与しません。味覚の伝達は主に顔面神経(前2/3の味覚)と舌咽神経(後1/3の味覚)が担当します。 - 交感神経線維を含む
反回神経は迷走神経の枝であり、副交感神経線維を含みますが、交感神経線維は含みません。 - 横隔神経から分枝する
反回神経は迷走神経から分枝します。横隔神経は頚神経叢(C3~C5)から起こり、反回神経とは異なります。 - 輪状甲状筋を支配する
輪状甲状筋は、反回神経ではなく、迷走神経から直接分枝する外側枝である上喉頭神経に支配されます。 - 左側の走行は右側よりも長い(正解)
左の反回神経は大動脈弓を回り込むため、右側(右鎖骨下動脈を回り込む)よりも長い走行を持ちます。この違いは臨床的に重要で、例えば腫瘍や大動脈病変による左反回神経の麻痺が声帯麻痺を引き起こすことがあります。
ワンポイントアドバイス
反回神経は喉頭筋群(輪状甲状筋を除く)を支配し、声帯の動きに重要です。左右の反回神経の走行の違いを理解することで、臨床症状や病態の理解が深まります。特に左反回神経の長い走行は、胸部疾患や手術時に注意が必要なポイントです。