ドーパミンが主に神経伝達物質となっている部位はどれか。
- 黒質
- 視床
- 小脳
- 脳梁
- 前頭葉
解答解説
正解は 1. 黒質 です。
ドーパミンは神経伝達物質として、特に中枢神経系において重要な役割を果たします。黒質(中脳に位置する)と線条体を結ぶ黒質-線条体路(錐体外路系)が主なドーパミンの産生・利用部位として知られています。この系統は運動調節に関与し、パーキンソン病などの疾患に関係します。
各選択肢の解説
- 黒質(正解)
黒質(中脳の一部)は、ドーパミンを豊富に含むニューロンが多く存在する部位です。特に黒質緻密部は、線条体との間でドーパミンを介して情報伝達を行います。 - 視床
視床は感覚情報の中継や調整に関与しますが、ドーパミンの主要な産生部位ではありません。 - 小脳
小脳は運動の調整に重要な役割を果たしますが、主にGABAやグルタミン酸が神経伝達物質として作用し、ドーパミンが主役となる部位ではありません。 - 脳梁
脳梁は左右の大脳半球を連絡する構造であり、ドーパミンの産生や作用に直接関与していません。 - 前頭葉
前頭葉はドーパミンの投射先として認識されていますが、ドーパミンを産生する主な部位ではありません。
ワンポイントアドバイス
ドーパミンは中枢神経系の主要な神経伝達物質で、黒質だけでなく腹側被蓋野や視床下部でも産生されます。これらは運動調節(黒質-線条体路)、報酬系(腹側被蓋野-前頭葉路)、および内分泌調節(視床下部-下垂体路)に関与しており、病態との関連を押さえることが重要です。