第57回理学療法士国家試験　午後問題97

適応障害について誤っているのはどれか。

1. 日常生活に支障を生じる。
2. 認知行動療法は有効である。
3. 薬物療法が治療の中心になる。
4. 抑うつ気分を伴うことが多い。
5. 適応的なストレス・コーピング技能を養う必要がある。

解答解説

正解は3です。

適応障害の治療では、ストレス要因の軽減や認知行動療法が主なアプローチとなります。薬物療法は不安や抑うつが重症の場合に補助的に用いられることがありますが、治療の中心ではありません。

各選択肢の解説

1. 日常生活に支障を生じる。
   正しい選択肢です。適応障害は、ストレスにより社会的・職業的な活動や日常生活に支障をきたすことが特徴です。
2. 認知行動療法は有効である。
   正しい選択肢です。適応障害に対する治療では、認知行動療法がストレスに対する対処法の獲得に有効とされています。
3. 薬物療法が治療の中心になる。(正解）
   誤りです。薬物療法は補助的に用いられることがありますが、治療の中心は心理療法や環境調整であり、薬物療法が中心となることはありません。
4. 抑うつ気分を伴うことが多い。
   正しい選択肢です。適応障害では、抑うつ気分や不安、焦燥感が症状として現れることが一般的です。
5. 適応的なストレス・コーピング技能を養う必要がある。
   正しい選択肢です。適応障害の治療では、ストレス・コーピング（ストレスに適応する能力）の強化が重要です。

ワンポイントアドバイス

適応障害の治療ポイント：

• 心理療法：認知行動療法やストレス管理技術が有効。
• 環境調整：ストレスの原因を減らす取り組みが重要。
• 薬物療法：補助的に用いる（抗不安薬や抗うつ薬）。
  適応障害は治療が早期に行われるほど予後が良好なので、早期発見・介入が大切です。