統合失調症について正しいのはどれか。
- 男性に多い。
- 急性発症することが多い。
- 若年の発症は予後が良い。
- 中年期以後に発症することが多い。
- 高EEの家族のもとで再発率が高くなる。
解答解説
正解は5です。
統合失調症では、高EE(Expressed Emotion:表出感情)が高い家族環境、つまり過剰な干渉、批判的な態度、感情的な過度の関与がある家族のもとで患者の再発率が高くなることが知られています。
各選択肢の解説
- 男性に多い。
統合失調症の発症率は、男女間で大きな差はありません。ただし、男性の発症年齢は女性よりやや若い傾向があります。この選択肢は誤りです。 - 急性発症することが多い。
統合失調症の発症は徐々に進行する場合が多く、急性発症はむしろ稀です。発症初期は社会的引きこもりや意欲低下などの陰性症状が徐々に現れることが一般的です。この選択肢は誤りです。 - 若年の発症は予後が良い。
若年発症の場合、病気の影響が長期間に及ぶ可能性が高く、予後はむしろ悪いことが多いです。中高年発症の方が予後が比較的良好とされています。この選択肢は誤りです。 - 中年期以後に発症することが多い。
統合失調症は一般的に10代後半から30代に発症することが多い疾患です。中年期以後の発症は少ないため、この選択肢は誤りです。 - 高EEの家族のもとで再発率が高くなる。(正解)
正しい選択肢です。家族が批判的、過干渉、過度に感情的な態度を取ると、患者にストレスがかかり再発のリスクが高まることが研究で示されています。
ワンポイントアドバイス
統合失調症の治療と予防のポイント:
- 薬物療法:抗精神病薬が中心。
- 心理社会的治療:認知行動療法、家族教育が重要。
- 高EEを避ける:家族に対して適切な接し方を指導することで再発リスクを減らすことができる。
患者の周囲の環境を整えることも、病気の経過に大きな影響を与えます。