糖尿病性腎症で正しいのはどれか。
- 血尿が特徴的である。
- 糸球体の硬化が起こる。
- 低血糖発作が原因となる。
- 糖尿病の初期からみられる。
- 透析導入の原因疾患として最も多い。
解答解説
正解は2と5です。
糖尿病性腎症は、糖尿病の合併症の一つで、糸球体の硬化が進行性に起こります。また、日本においては透析導入の最も多い原因疾患として知られています。
各選択肢の解説
- 血尿が特徴的である。
糖尿病性腎症では血尿は特徴的ではありません。血尿は、IgA腎症や腎結石など他の腎疾患で見られる症状です。この選択肢は誤りです。 - 糸球体の硬化が起こる。(正解)
正しい選択肢です。糖尿病性腎症では、血糖コントロール不良により糸球体の硬化が進行し、腎機能が低下します。典型的にはメサンギウム細胞の増殖や基底膜の肥厚が見られます。 - 低血糖発作が原因となる。
低血糖発作は糖尿病治療に関連する問題であり、腎症の直接的な原因ではありません。この選択肢は誤りです。 - 糖尿病の初期からみられる。
糖尿病性腎症は糖尿病の合併症として進行性に発症します。早期では腎機能が正常で、発症まで数年を要することが多いです。この選択肢は誤りです。 - 透析導入の原因疾患として最も多い。(正解)
正しい選択肢です。日本では、糖尿病性腎症が透析導入の原因疾患として最も多く、慢性腎臓病(CKD)の重篤化に大きく寄与しています。
ワンポイントアドバイス
糖尿病性腎症を理解する際のポイント:
- 進行段階(5段階):早期腎症では微量アルブミン尿、進行腎症では顕性蛋白尿。末期腎不全では透析導入が必要になる。
- 特徴:血尿は少なく、蛋白尿や腎機能低下が進行する。
- 治療:血糖コントロール、降圧薬(RAS阻害薬)による腎保護が重要。
透析予防には、早期発見と生活習慣の改善が不可欠です。