多発性骨髄腫にみられるのはどれか。
- 肝障害
- 病的骨折
- 赤血球増多
- 血清総蛋白量減少
- 低カルシウム血症
解答解説
正解は2です。
多発性骨髄腫では、骨破壊が進行しやすく、骨の脆弱化により病的骨折が高頻度で発生します。特に脊椎、肋骨、大腿骨などが影響を受けやすい部位です。
各選択肢の解説
- 肝障害
多発性骨髄腫の主病態は骨病変、腎障害、免疫不全などであり、肝障害は特徴的ではありません。この選択肢は誤りです。 - 病的骨折(正解)
正しい選択肢です。多発性骨髄腫では骨髄での異常な形質細胞の増殖により骨吸収が亢進し、骨が脆弱化します。その結果、軽微な外力で骨折(病的骨折)を生じることがあります。 - 赤血球増多
多発性骨髄腫では、骨髄での正常造血が抑制されるため、むしろ貧血が一般的に見られます。赤血球増多は多発性骨髄腫の特徴ではありません。この選択肢は誤りです。 - 血清総蛋白量減少
多発性骨髄腫では、異常な免疫グロブリン(M蛋白)の増加により、血清総蛋白量は増加します。この選択肢は誤りです。 - 低カルシウム血症
骨吸収が進行するため、むしろ高カルシウム血症(高Ca血症)が特徴的です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
多発性骨髄腫の主な特徴は以下の頭文字で覚えると便利です(CRAB症候群):
- C(Calcium):高カルシウム血症。
- R(Renal):腎障害。
- A(Anemia):貧血。
- B(Bone):骨病変(骨痛、病的骨折)。
骨痛や貧血、腎不全などの症状が見られる場合は、多発性骨髄腫を疑い、血清蛋白電気泳動や骨髄検査が診断に重要です。