第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題91

原発性自然気胸について正しいのはどれか。

  1. 男性に多い。
  2. 肥満者に多い。
  3. 再発は稀である。
  4. 低身長者に多い。
  5. 60歳以上に多い。

解答解説

正解は1です。

原発性自然気胸は、特に若年男性に多く発生します。原因は肺の表面にできたブラやブレブ(肺胞の異常な膨らみ)の破裂であり、特に高身長で痩せ型の男性に多いとされています。

各選択肢の解説

  1. 男性に多い。(正解)
    正しい選択肢です。原発性自然気胸は、男性に多い疾患であり、特に10代から30代の若年者に発生しやすいです。
  2. 肥満者に多い。
    原発性自然気胸は、むしろ痩せ型の人に多くみられます。肥満者には少ないため、この選択肢は誤りです。
  3. 再発は稀である。
    原発性自然気胸は再発率が高い疾患で、再発率は30~50%とされています。この選択肢は誤りです。
  4. 低身長者に多い。
    原発性自然気胸は、高身長の人に多く見られる疾患です。低身長者に多いという記述は誤りです。
  5. 60歳以上に多い。
    60歳以上では、原発性ではなく慢性肺疾患(COPDなど)に伴う続発性自然気胸が多くなります。原発性自然気胸は若年層に多いため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

原発性自然気胸の特徴を押さえましょう:

  • 好発:若年男性、高身長、痩せ型。
  • 原因:ブラやブレブの破裂による。
  • 症状:突然の胸痛、呼吸困難、片側の肺の虚脱音。
  • 治療:軽症では安静、重症例では胸腔ドレナージや手術(ブラの切除)。

再発予防のために手術(胸腔鏡下手術)が推奨されることがあります。