第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題55

脊髄について正しいのはどれか。

  1. 体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は後根神経節に存在する。
  2. 白質はその大部分を神経細胞の細胞体が占める。
  3. 運動神経細胞は後角にある。
  4. 深部感覚は前索を上行する。
  5. 温痛覚は後索を上行する。

解答解説

正解は1です。

体性感覚神経の一次ニューロンは、皮膚や筋肉などの体性感覚情報を中枢神経系に伝える神経です。その細胞体は後根神経節に存在し、そこから軸索を伸ばして脊髄後角に情報を送ります。

各選択肢の解説

  1. 体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は後根神経節に存在する。(正解)
    正しい選択肢です。後根神経節には、体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体が密集しており、脊髄に感覚情報を送ります。
  2. 白質はその大部分を神経細胞の細胞体が占める。
    白質は、神経細胞の軸索が密集している部分であり、細胞体が多いのは灰白質です。この選択肢は誤りです。
  3. 運動神経細胞は後角にある。
    運動神経細胞は脊髄前角に存在します。後角は主に感覚情報を処理する領域です。この選択肢は誤りです。
  4. 深部感覚は前索を上行する。
    深部感覚(振動覚や位置覚)は、後索を上行して延髄へ送られます。この選択肢は誤りです。
  5. 温痛覚は後索を上行する。
    温痛覚は、脊髄後角で二次ニューロンに伝達された後、側索を上行します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

脊髄内の神経伝導路を理解する際には、以下を押さえましょう:

  • 後根神経節:感覚神経の一次ニューロンの細胞体が存在する。
  • 白質:神経軸索が集まり、上行路(感覚)と下行路(運動)を含む。
  • 灰白質:神経細胞の細胞体が多く存在し、感覚や運動の中継を行う。
  • 深部感覚:後索を上行。
  • 温痛覚:側索を上行。

神経解剖を整理して覚えることで、脊髄の構造と機能をより深く理解できます。