多発性筋炎にみられる所見はどれか。
- 蝶形紅斑
- 深部腱反射亢進
- 手袋靴下型感覚障害
- 筋電図での高振幅電位波形
- 血清クレアチンキナーゼ上昇
解答解説
正解は5です。
多発性筋炎(polymyositis)は、筋肉の炎症性疾患で、筋力低下を特徴とします。この疾患では筋細胞が破壊されるため、血清クレアチンキナーゼ(CK)が上昇します。CKは筋障害の指標として重要です。
各選択肢の解説
- 蝶形紅斑
蝶形紅斑は全身性エリテマトーデス(SLE)に特徴的な皮膚症状であり、多発性筋炎にはみられません。この選択肢は誤りです。 - 深部腱反射亢進
多発性筋炎では、筋そのものの障害が主であり、反射亢進など中枢神経の症状は見られません。この選択肢は誤りです。 - 手袋靴下型感覚障害
手袋靴下型感覚障害は末梢神経障害(例:糖尿病性ニューロパチー)に特徴的な所見であり、多発性筋炎にはみられません。この選択肢は誤りです。 - 筋電図での高振幅電位波形
多発性筋炎では筋肉の破壊が進行するため、筋電図では低振幅の短持続電位や筋線維自発活動が見られます。高振幅波形はむしろ神経原性疾患で観察されます。この選択肢は誤りです。 - 血清クレアチンキナーゼ上昇(正解)
正しい選択肢です。多発性筋炎では、筋細胞の破壊により血清CKが上昇します。その他、筋生検で炎症性細胞の浸潤や線維化が確認されることもあります。
ワンポイントアドバイス
多発性筋炎を見分けるためのポイント:
- 主な症状:筋力低下(特に近位筋)、筋痛。
- 血液検査:CK、LDH、AST、ALTの上昇。
- 筋電図:低振幅の短持続電位、筋線維の自発活動(陽性鋭波や線維自発電位)。
- 関連疾患:皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎と診断されることがあります。
診断には、筋生検、筋電図、血液検査の組み合わせが重要です。