嚥下反射が惹起された瞬間の食物の流れを観察できる検査法はどれか。
- 食物テスト
- 嚥下造影検査
- 嚥下内視鏡検査
- 改訂水飲みテスト
- 反復唾液嚥下テスト
解答解説
正解は2です。
嚥下造影検査(VF: Videofluorography)は、嚥下時の食物の動きをリアルタイムでX線撮影する検査です。嚥下反射が惹起される瞬間や、咽頭から食道への食物の流れを直接観察することができます。嚥下障害の評価において、食物の流れや誤嚥の有無を明確に把握できるため、嚥下機能の詳細な評価に有用です。
各選択肢の解説
- 食物テスト
食物テストは、実際に食物を摂取させ、嚥下機能を観察する簡易的な方法です。しかし、嚥下反射が惹起された瞬間の食物の流れを直接観察することはできません。この選択肢は誤りです。 - 嚥下造影検査(正解)
正しい選択肢です。嚥下造影検査では、造影剤を含んだ食物を摂取させ、嚥下の全過程をX線透視で観察できます。嚥下反射のタイミングや、食物の咽頭・食道内での動きをリアルタイムで確認可能です。 - 嚥下内視鏡検査
嚥下内視鏡検査(VE: Videoendoscopy)は、内視鏡を用いて嚥下機能を観察する方法です。喉頭や咽頭の動きを詳細に確認できますが、嚥下反射が惹起された瞬間の食物の動きは観察しづらいです。この選択肢は誤りです。 - 改訂水飲みテスト
改訂水飲みテストは、一定量の水を飲ませて、咳やむせの有無を評価する簡易的な方法です。嚥下反射や食物の動きを直接観察することはできません。この選択肢は誤りです。 - 反復唾液嚥下テスト
反復唾液嚥下テストは、唾液を複数回連続して嚥下できるかを評価する方法であり、嚥下反射そのものや食物の流れを観察する目的ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
嚥下機能評価の検査方法を選ぶ際には、観察したい部位やタイミングを明確にすることが重要です。嚥下反射のタイミングや食物の流れを詳細に評価したい場合は嚥下造影検査が最適です。一方で、喉頭の動きや解剖学的観察には嚥下内視鏡検査が有効です。