第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題76

骨転移を最も生じやすいのはどれか。

  1. 胃癌
  2. 肝臓癌
  3. 前立腺癌
  4. 大腸癌
  5. 膀胱癌

解答解説

正解は3です。

前立腺癌は骨への転移を最も生じやすい癌の一つです。特に脊椎や骨盤への転移が高頻度で見られ、これは癌細胞が血液やリンパ液を通じて骨組織に到達し、骨破壊や骨形成を引き起こすためです。

各選択肢の解説

  1. 胃癌
    胃癌は肝臓や肺への転移が比較的多く、骨への転移は稀です。この選択肢は誤りです。
  2. 肝臓癌
    肝臓癌は肝内での増殖や肺への転移が一般的であり、骨への転移はまれです。この選択肢は誤りです。
  3. 前立腺癌(正解)
    正しい選択肢です。前立腺癌は骨転移を非常に高頻度で引き起こし、特に脊椎や骨盤が影響を受けやすいです。前立腺癌の骨転移はしばしば造骨性(骨形成性)であり、特徴的な病理所見を示します。
  4. 大腸癌
    大腸癌は肝転移が最も一般的であり、骨転移は稀です。この選択肢は誤りです。
  5. 膀胱癌
    膀胱癌は骨への転移も起こり得ますが、頻度は高くありません。肺やリンパ節への転移が主です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

骨転移の頻度が高い癌は以下の通りです:

  • 乳癌、前立腺癌:特に骨に転移しやすい。
  • 肺癌:骨転移も多く見られる。
  • 腎細胞癌、甲状腺癌:骨転移のリスクがある。

骨転移の症状(痛み、病的骨折など)や治療(骨修飾薬、放射線治療など)も併せて理解しておくと臨床で役立ちます。