第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題86

FIMについて正しいのはどれか。

  1. 見当識を評価する。
  2. 社会的交流を評価する。
  3. 見守りが必要な場合は1点と判定する。
  4. 更衣は上半身と下半身を分けて評価する。
  5. 杖を使用して歩行が自立すれば完全自立と判定する。

解答解説

正解は2. 社会的交流を評価する4. 更衣は上半身と下半身を分けて評価するです。

各選択肢の解説

  1. 見当識を評価する。
    FIM(機能的自立度評価法)は18項目の評価からなり、認知機能に関連する項目も含まれますが、見当識(時間や場所に関する認識)は評価項目に含まれていません。この選択肢は誤りです。
  2. 社会的交流を評価する。(正解)
    FIMの認知機能領域には、社会的交流を評価する項目が含まれます。具体的には、適切な対人関係やコミュニケーション能力が評価されます。この選択肢は正しいです。
  3. 見守りが必要な場合は1点と判定する。
    FIMで1点は「完全介助」を意味します。見守りが必要な場合は5点(監視または最小介助)と判定されます。この選択肢は誤りです。
  4. 更衣は上半身と下半身を分けて評価する。(正解)
    FIMでは、日常生活動作(ADL)の一環として、更衣は「上半身」と「下半身」に分けて評価されます。この選択肢は正しいです。
  5. 杖を使用して歩行が自立すれば完全自立と判定する。
    FIMにおける「完全自立」は、補助具を使用せずに独立して行える場合に適用されます。杖を使用している場合は「修正自立」(6点)と判定されます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

FIMの評価項目には、以下の2領域があります:

  • 運動機能領域(13項目):食事、更衣(上半身・下半身)、排泄、移乗、歩行など。
  • 認知機能領域(5項目):社会的交流、記憶、問題解決など。

点数は1点(完全介助)から7点(完全自立)で評価されます。補助具の使用があれば6点(修正自立)と覚えておきましょう。