呼吸機能検査について正しいのはどれか。
- 呼吸筋力の低下で肺活量は低下する。
- 気道抵抗が増加すると1秒率は上昇する。
- 肺拡散能の低下では最大呼気流量は低下する。
- 肺コンプライアンスが低下すると機能的残気量は増加する。
- 換気血流比不均等では肺胞気動脈血酸素分圧較差が低下する。
解答解説
正解は1です。
呼吸筋力が低下すると、肺を完全に膨らませたり収縮させたりする能力が制限されるため、肺活量(VC)が低下します。呼吸筋力低下は拘束性障害に関連し、呼吸機能検査でその影響が評価されます。
各選択肢の解説
- 呼吸筋力の低下で肺活量は低下する。(正解)
正しい選択肢です。呼吸筋力(横隔膜や肋間筋)の低下により、肺の膨張能力が低下するため、肺活量が減少します。この状態は筋疾患や神経筋疾患で見られることがあります。 - 気道抵抗が増加すると1秒率は上昇する。
気道抵抗が増加すると(例:気管支喘息、COPDなど)、1秒量(FEV₁)が大幅に低下し、1秒率(FEV₁/FVC)は低下します。この選択肢は誤りです。 - 肺拡散能の低下では最大呼気流量は低下する。
肺拡散能の低下は、酸素や二酸化炭素の交換能力が低下する状態で、気流(呼気流量)には直接影響しません。最大呼気流量の低下は主に気道閉塞に関連します。この選択肢は誤りです。 - 肺コンプライアンスが低下すると機能的残気量は増加する。
肺コンプライアンス(肺の膨張能力)が低下すると、肺の拡張が制限され、むしろ機能的残気量(FRC)は減少します。この選択肢は誤りです。 - 換気血流比不均等では肺胞気動脈血酸素分圧較差が低下する。
換気血流比(V/Q)の不均等では、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO₂)は増加します。低下するのは正常な肺の状態です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
呼吸機能検査の重要な指標を覚えるために:
- 1秒率(FEV₁/FVC):気道閉塞の指標。低下は閉塞性障害(例:COPD、喘息)を示す。
- 肺活量(VC):呼吸筋力や肺の膨張能力を反映。低下は拘束性障害(例:肺線維症、筋疾患)を示す。
- 肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO₂):拡散障害や換気血流比不均等を反映。増加は病的状態を示す。
検査結果と疾患を関連付けて理解することが重要です。