第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題35

Parkinson病に対する包括的な評価指標であるUPDRSの評価項目でないのはどれか。

  1. 感覚
  2. 姿勢
  3. 歩行
  4. 知的機能
  5. ジスキネジア

解答解説

正解は1. 感覚です。

解説

UPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)は、パーキンソン病(PD)の症状を包括的に評価する指標で、運動症状、非運動症状、生活の質を総合的に評価します。評価項目は以下のセクションに分かれています:

UPDRSの構成

  • Part I:非運動症状の評価
    • 知的機能、気分、行動(例:認知機能、うつ、幻覚など)
  • Part II:日常生活動作(ADL)の評価
    • 歩行、姿勢、嚥下、書字など患者の主観的な症状
  • Part III:運動症状の評価
    • 振戦、筋固縮、姿勢保持反射、ジスキネジアなどの運動機能の評価
  • Part IV:治療関連の運動合併症の評価
    • ジスキネジアや運動変動(on-off現象)の評価

感覚はパーキンソン病の主要な症状ではなく、UPDRSの評価項目には含まれていません。

他の選択肢との比較

  1. 姿勢(正しい項目)
    • 姿勢保持反射や姿勢の安定性は、Part IIIで評価される重要な運動症状です。
  2. 歩行(正しい項目)
    • 歩行能力はPart II(ADL評価)とPart III(運動症状)で評価されます。
  3. 知的機能(正しい項目)
    • Part Iで認知機能の低下や精神的な変化が評価されます。
  4. ジスキネジア(正しい項目)
    • Part IVで治療関連の運動合併症として評価されます。

ワンポイントアドバイス

UPDRSはパーキンソン病の評価において標準的な指標であり、運動症状(姿勢、歩行、振戦など)や治療の副作用(ジスキネジアなど)を包括的に評価します。非運動症状も含まれますが、感覚は評価対象外であることを覚えておきましょう。