第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題30

関節リウマチにおいて、余暇、仕事、身の回りのことの3つの要素から機能状態の程度を示す指標はどれか。

  1. CMI
  2. DAS28(disease activity score 28)
  3. Larsen分類
  4. Sharp score
  5. Steinbrockerのclass分類

解答解説

正解は5. Steinbrockerのclass分類です。

解説

Steinbrockerのclass分類は、関節リウマチ(RA)患者の機能状態を評価する指標で、患者の日常生活動作(ADL)や社会活動への影響を基に4つのクラスに分類します。この分類は、患者の余暇活動仕事身の回りのこと(ADL)といった生活全般の機能状態を反映する点で特徴的です。

Steinbrockerのclass分類の概要

  • Class 1:制限なくすべての活動が可能。
  • Class 2:日常生活動作は可能だが、余暇活動や仕事に制限あり。
  • Class 3:日常生活動作にも制限があるが、自力での生活は可能。
  • Class 4:寝たきりまたは車椅子生活であり、自立した生活が困難。

この分類は、患者の機能状態を把握し、治療計画を立てる際に有用です。

選択肢の解説

  1. CMI(誤り)
    • Cornell Medical Index(CMI)は、身体的および心理的健康状態を調査する質問票で、RAの機能評価には直接関与しません。
  2. DAS28(誤り)
    • DAS28(disease activity score 28)は、関節リウマチの疾患活動性を評価する指標で、28箇所の関節の圧痛や腫脹、血液検査データ(CRPやESR)を基に算出します。機能状態の分類には用いられません。
  3. Larsen分類(誤り)
    • Larsen分類は、関節破壊の程度をX線画像で評価する指標で、関節リウマチの進行度を評価します。機能状態の分類には該当しません。
  4. Sharp score(誤り)
    • Sharp scoreもX線所見を基に関節破壊の程度を評価する指標で、Larsen分類と同様にRAの進行度評価に用いられます。機能状態の分類には関係がありません。
  5. Steinbrockerのclass分類(正解)
    • 日常生活動作や社会活動の制限を基にした機能状態の評価に用いられ、問題文に該当します。

ワンポイントアドバイス

関節リウマチの評価には、疾患活動性(DAS28など)、関節破壊の進行度(Larsen分類、Sharp score)、機能状態(Steinbrockerのclass分類)といった異なる側面があります。それぞれの目的と用途を明確に把握しておくことが重要です。