歩行周期で立脚相直前から活動し、踵接地時に大きな活動を示す下肢の筋はどれか。2つ選べ。
- 下腿三頭筋
- 前脛骨筋
- 大腿四頭筋
- 長母指屈筋
- 腸腰筋
解答解説
正解は2. 前脛骨筋と3. 大腿四頭筋です。
解説
歩行周期の立脚相直前から踵接地時の筋活動を理解するには、各筋の役割を把握する必要があります。このタイミングでは、足部と膝の安定性を確保し、適切な衝撃吸収を行う筋が主に活動します。
歩行周期における筋活動のポイント
- 前脛骨筋(正解)
- 主に足関節の背屈を担い、踵接地の際に足部を安定させます。
- 初期接地時に衝撃吸収のために活動が増大し、足が底屈しすぎないよう制御します。
- 大腿四頭筋(正解)
- 主に膝関節の伸展を担います。踵接地の際、膝が過度に屈曲しないように制動作用を発揮し、立脚相初期の安定性を確保します。
- 下腿三頭筋(誤り)
- 下腿三頭筋は主に足関節の底屈を担い、主に立脚相後期(ヒールオフからトウオフ)で活動が強くなります。踵接地のタイミングではほとんど活動しません。
- 長母指屈筋(誤り)
- 長母指屈筋は足趾の屈曲を担い、主にプッシュオフ(トウオフ)の際に活動が増加します。このタイミングでは活動が少ないです。
- 腸腰筋(誤り)
- 腸腰筋は股関節の屈曲を担い、遊脚相の後期から活動が増加します。立脚相直前や踵接地時には関与が少ないです。
選択肢の解説
- 下腿三頭筋(誤り)
- ヒールオフからトウオフにかけて強く活動し、踵接地時にはほとんど活動しません。
- 前脛骨筋(正解)
- 踵接地時に足部を背屈位で保持し、衝撃吸収のために重要な役割を果たします。
- 大腿四頭筋(正解)
- 踵接地時に膝の安定を保つために活動します。特に膝の過剰な屈曲を防ぐ制動作用が重要です。
- 長母指屈筋(誤り)
- 主にトウオフ時に活動し、踵接地時には関与が少ないです。
- 腸腰筋(誤り)
- 遊脚相で主に活動し、立脚相直前や踵接地時にはほとんど活動しません。
ワンポイントアドバイス
歩行周期の各フェーズにおける筋活動を理解するには、どの筋がどの関節の安定化や動作を制御しているかを明確にすることが重要です。特に、踵接地時は前脛骨筋と大腿四頭筋の働きが安定性と衝撃吸収に直結するため、頻出ポイントとして覚えておきましょう。