呼吸障害に対する理学療法として、口すぼめ呼吸が有効なのはどれか。
- COPD
- 肺線維症
- 間質性肺炎
- 筋萎縮性側索硬化症
- Duchenne型筋ジストロフィー
解答解説
正解は1.COPDです。
口すぼめ呼吸は、呼気時に口をすぼめてゆっくり息を吐く方法で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に特に有効です。口すぼめ呼吸を行うことで、気道内圧が上昇し、末梢気道が閉塞するのを防ぎます。これにより、呼気量が増加し、息切れの軽減やガス交換の効率化が期待できます。
選択肢の解説
- COPD
COPDでは末梢気道が閉塞しやすく、空気が肺に溜まる(過膨張)ため、口すぼめ呼吸で呼気の流れを整え、末梢気道を開存させる効果があります。この選択肢が正解です。 - 肺線維症
肺線維症では、肺の柔軟性が失われるため、主に吸気障害が主体となります。口すぼめ呼吸は吸気障害に直接的な効果はありません。この選択肢は誤りです。 - 間質性肺炎
間質性肺炎も、肺線維症と同様に肺の硬化が進み、吸気が困難になります。口すぼめ呼吸は効果が期待できません。この選択肢は誤りです。 - 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ALSでは呼吸筋の筋力低下が進行しますが、気道閉塞の改善が目的ではないため、口すぼめ呼吸の効果は限定的です。この選択肢は誤りです。 - Duchenne型筋ジストロフィー
Duchenne型筋ジストロフィーでは、主に呼吸筋の筋力低下による呼吸障害が問題になりますが、口すぼめ呼吸は筋力低下の補助としての効果は少ないです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
口すぼめ呼吸は、末梢気道閉塞が主病態であるCOPDに特に有効です。
COPDの患者に対する口すぼめ呼吸の目的は以下の通り:
- 呼気時の気道閉塞を防ぎ、空気の排出を促進。
- 呼吸困難感を軽減。
- 呼吸効率の改善。
他の疾患(肺線維症、ALSなど)は病態が異なるため、適切な呼吸法を選択することが重要です。