症候とその説明の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- Uhthoff徴候――体温の低下で神経症状が悪化する。
- Lasègue徴候――腰椎椎間板ヘルニアで陽性になる。
- Lhermitte徴候――頸部の前屈により背部中央に痛みが走る。
- 内側縦束症候群――後頭葉の障害で起こる。
- Brown-Séquard症候群――脊髄の両側横断性障害で起こる。
解答解説
正解は2.Lasègue徴候――腰椎椎間板ヘルニアで陽性になると3.Lhermitte徴候――頸部の前屈により背部中央に痛みが走るです。
正解の選択肢
- Lasègue徴候――腰椎椎間板ヘルニアで陽性になる
Lasègue徴候は、仰臥位で下肢を伸展したまま挙上させた際に腰部から下肢に放散する痛みを指します。坐骨神経が伸展されることで誘発されるもので、腰椎椎間板ヘルニアなど坐骨神経が圧迫される疾患で陽性となります。正しい組み合わせです。 - Lhermitte徴候――頸部の前屈により背部中央に痛みが走る
Lhermitte徴候は、頸部を前屈させた際に電撃様の痛みが背部中央や四肢に放散する現象です。多発性硬化症や頸椎症などで認められ、後索路の障害が原因とされています。正しい組み合わせです。
誤りの選択肢
- Uhthoff徴候――体温の低下で神経症状が悪化する
Uhthoff徴候は、体温の上昇により一過性に神経症状が悪化する現象です。多発性硬化症に特徴的な徴候で、体温低下ではむしろ症状が軽減することがあります。この選択肢は誤りです。 - 内側縦束症候群――後頭葉の障害で起こる
内側縦束症候群は、脳幹の内側縦束の障害により起こる眼球運動障害です。特徴的な症状は、側方注視の際に患側の眼球内転が障害されることです。後頭葉の障害ではありません。この選択肢は誤りです。 - Brown-Séquard症候群――脊髄の両側横断性障害で起こる
Brown-Séquard症候群は、脊髄の片側が損傷されることによる症候群です。損傷側に深部感覚障害と運動麻痺、対側に温痛覚障害がみられるのが特徴です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
各徴候や症候群の特徴と原因疾患を正確に理解することが重要です。
- Lasègue徴候:坐骨神経伸展で痛みが出る。腰椎椎間板ヘルニアに多い。
- Lhermitte徴候:頸部前屈で電撃痛が出る。多発性硬化症で典型的。
- Uhthoff徴候:体温上昇で症状悪化。
これらを整理して覚えることで、臨床判断や試験対策に役立ちます。