第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題11

図のような移動DシャフリングHをする乳児に促す姿勢や運動で最も適切なのはどれか。

  1. 椅子座位
  2. 起き上がり
  3. 寝返り
  4. 背臥位
  5. 腹這い

解答解説

正解は1. 椅子座位です。
シャフリングとは、乳児が座ったまま臀部を使って地面を滑らせるようにして移動することを指します。この動きは、四つ這いや腹這いを避ける傾向がある乳児に見られることがあります。椅子座位を促すことで、骨盤や股関節の安定性を高め、より対称的な姿勢の発達を促すことができます。 また、椅子座位では姿勢の保持が容易になり、手や上肢の活動が促進されます。

各選択肢の解説

  1. 椅子座位
    正解です。椅子座位を促すことで、骨盤と脊柱を安定させ、左右対称の姿勢と動作を引き出す助けとなります。 また、上肢や体幹の活動が活発になり、より機能的な動作の発達を促進します。
  2. 起き上がり
    起き上がりの練習は体幹筋を鍛えるのに有効ですが、シャフリングの改善には直接的ではありません。椅子座位で姿勢を安定させる方が効果的です。
  3. 寝返り
    寝返りの練習は体幹や下肢の動きを引き出しますが、シャフリングによる対称性の改善には直接的な関与が少ないです。
  4. 背臥位
    背臥位は重力に抗して姿勢をコントロールするのが難しく、シャフリングの改善にはあまり適しません。
  5. 腹這い
    腹這いは四つ這いの発達を促すのに重要な姿勢ですが、シャフリング乳児が腹這いを嫌う傾向にある場合、過度な練習はストレスとなり逆効果です。

ワンポイントアドバイス

シャフリング乳児においては、骨盤の安定性や左右対称の姿勢を促すことが重要です。椅子座位では骨盤が安定し、手を使った活動が可能になります。また、シャフリングは一時的な現象であり、発達全体を見守ることが大切です。