Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。
- 四肢の深部腱反射が亢進する。
- 欧米に比べて日本では軸索型が多い。
- 脳神経症状がみられるのは5%以下である。
- 先行感染から24時間以内に神経症状が出現する。
- 約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である。
解答解説
正解は2.欧米に比べて日本では軸索型が多いです。
Guillain-Barré症候群(GBS)は、末梢神経の急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)が主な病型ですが、軸索型(AMAN:急性運動軸索性ニューロパチー)もあります。日本では、欧米と比べて軸索型の割合が高く、カンピロバクター・ジェジュニ感染後に発症することが多いのが特徴です。
選択肢の解説
- 四肢の深部腱反射が亢進する。
GBSでは、末梢神経の脱髄や軸索障害により、深部腱反射が低下または消失するのが典型的です。亢進は見られません。この選択肢は誤りです。 - 欧米に比べて日本では軸索型が多い。
日本や中国など東アジアでは、欧米に比べて軸索型(AMAN)が多いことが報告されています。特に、先行感染としてカンピロバクター感染との関連が指摘されています。この選択肢が正解です。 - 脳神経症状がみられるのは5%以下である。
GBSでは、特に顔面神経(Ⅶ脳神経)麻痺が比較的高頻度でみられます。脳神経症状の出現率は10~50%とされており、「5%以下」という記述は誤りです。この選択肢は誤りです。 - 先行感染から24時間以内に神経症状が出現する。
GBSの神経症状は、先行感染から数日~数週間後に徐々に進行するのが典型的で、24時間以内の発症は非常に稀です。この選択肢は誤りです。 - 約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である。
GBSの症状は、通常1~4週間かけて進行します。1週間以内にピークを迎えるのは稀であり、「90%」という記述は不正確です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
GBSでは、深部腱反射の低下や消失、軸索型の地域差(日本では多い)が特徴です。また、先行感染(カンピロバクター・ジェジュニやウイルス感染)から数日~数週間後に神経症状が出現し、進行が緩やかである点も重要です。軸索型と脱髄型の違いや、症状の時間的経過をしっかり押さえておきましょう。