脊髄性運動失調症でみられるのはどれか。
- 折りたたみナイフ現象
- 断綴性発語
- 羽ばたき振戦
- 酩酊歩行
- Romberg徴候陽性
解答解説
正解は5.Romberg徴候陽性です。
脊髄性運動失調症(フリードライヒ運動失調症など)では、深部感覚(位置覚)の障害が主な特徴です。Romberg徴候陽性は、閉眼時に視覚補正が失われることで姿勢が不安定になる現象で、深部感覚障害の評価に有用です。
選択肢の解説
- 折りたたみナイフ現象
折りたたみナイフ現象は、痙性麻痺に伴う筋緊張亢進の特徴で、錐体路障害に関連します。脊髄性運動失調症の主な病態ではありません。この選択肢は誤りです。 - 断綴性発語
断綴性発語は、小脳性運動失調に伴う症状で、発声がぎこちなく、言葉が途切れ途切れになる特徴を示します。脊髄性運動失調症では見られません。この選択肢は誤りです。 - 羽ばたき振戦
羽ばたき振戦は、肝性脳症やウィルソン病などの疾患に特徴的な症状で、脊髄性運動失調症とは関連がありません。この選択肢は誤りです。 - 酩酊歩行
酩酊歩行(千鳥足)は、小脳性運動失調に特徴的な歩行障害であり、脊髄性運動失調症の主な症状ではありません。この選択肢は誤りです。 - Romberg徴候陽性
脊髄性運動失調症では、深部感覚障害によりRomberg徴候が陽性になります。開眼時には視覚の補正により姿勢を保てますが、閉眼すると補正が効かずに倒れやすくなるのが特徴です。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
脊髄性運動失調症は、主に深部感覚障害(位置覚・振動覚の低下)が原因で運動失調が生じます。この点で、小脳性運動失調(協調運動障害や断綴性発語)と異なる特徴があります。Romberg徴候は感覚性運動失調の評価に必須で、閉眼時のバランスの悪化が診断のポイントとなります。