第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題27

四肢の周径測定法として正しいのはどれか。

  1. 記録は1cm単位とする。
  2. メジャーは皮膚に密着させる。
  3. 寒い時期は着衣の上から測定する。
  4. 大周径の測定時には、膝関節を45°屈曲位とする。
  5. 下周径の測定時には、下後面をベッドに密着させる。

解答解説

正解は2.メジャーは皮膚に密着させるです。

四肢の周径測定法は、浮腫、筋萎縮、肥大などの評価に用いられる基本的な方法です。測定の際、正確な数値を得るためにメジャーを皮膚に密着させて測定しますが、圧迫して皮膚がへこむことのないよう注意します。また、基準点や測定方法を統一することが重要です。

選択肢の解説

  1. 記録は1cm単位とする。
    周径測定はmm単位(0.1cm)まで正確に記録します。1cm単位では誤差が大きくなるため不適切です。この選択肢は誤りです。
  2. メジャーは皮膚に密着させる。
    メジャーは皮膚に密着させて測定します。ただし、過剰に圧迫して皮膚がへこまないように注意が必要です。この選択肢は正解です。
  3. 寒い時期は着衣の上から測定する。
    正確な測定を行うためには、必ず皮膚に直接メジャーを密着させる必要があります。着衣の上からの測定は誤差が生じるため不適切です。この選択肢は誤りです。
  4. 大周径の測定時には、膝関節を45°屈曲位とする。
    周径測定は、通常、四肢が伸展した状態で行います。屈曲位では筋肉が収縮し、正確な測定が難しくなるため不適切です。この選択肢は誤りです。
  5. 下周径の測定時には、下後面をベッドに密着させる。
    下周径(下腿部の周径)は膝関節を伸展位にし、測定部位を浮かせて行います。下後面をベッドに密着させると誤差が生じるため不適切です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

周径測定では、基準点(膝蓋骨下端からの距離など)を明確にして記録することが重要です。また、左右差や経時的な変化を比較する際は、常に同じ条件で測定することが求められます。測定部位の露出を徹底し、リラックスした状態で正確に測定することを心がけましょう。