Danielsらの徒手筋力テストによる検査方法を図に示す。正しいのはどれか。
解答解説
正解は1. 前鋸筋の段階 3です。
前鋸筋の徒手筋力テスト(段階3)は、患者が座位で肩関節を屈曲させた状態で、重力に抗して肩甲骨を前方に突出させることができるかを評価します。 この図は、重力の影響下で患者が運動を自力で行う姿勢を正確に示しており、段階3の前鋸筋の評価に該当します。
各選択肢の解説
- 前鋸筋の段階 3
正解です。前鋸筋は肩甲骨を前方突出(外転と上方回旋)させる働きを持ちます。段階3では、座位で肩関節を屈曲させ、重力に抗して肩甲骨の動きを保持できるか確認します。 図はこの測定法を正確に表しています。 - 肩関節外旋筋群の段階 4
肩関節外旋筋群(主に棘下筋、小円筋)の段階4のテストでは、外旋方向に筋力を発揮する際に、検者の抵抗に打ち勝つ力を評価します。 この図は抵抗の有無を示しておらず、段階4には該当しません。 - 大胸筋の段階 3
大胸筋の段階3のテストでは、仰臥位で重力に抗して上腕を水平屈曲させる動作を確認します。 この図はその測定肢位を示しておらず、大胸筋のテストとは一致しません。 - 腕橈骨筋の段階 4
腕橈骨筋の段階4では、肘関節を屈曲させる動作において抵抗を加え、筋力を評価します。 この図には抵抗を加える場面が描かれていないため、段階4の条件を満たしません。 - 腸腰筋の段階 3
腸腰筋の段階3のテストでは、仰臥位で股関節を屈曲させ、重力に抗して動作を行うかを確認します。 図に示された姿勢は腸腰筋の評価に該当しません。
ワンポイントアドバイス
徒手筋力テスト(MMT)では、段階3は「重力に抗して自力で運動できる」ことが評価の基準となります。 各筋肉の働きや運動方向を理解し、テストにおける正しい体位や条件を覚えることが重要です。前鋸筋のテストでは肩甲骨の動きを観察するポイントを押さえましょう。