CRPS〈複合性局所痛症候群〉のtypeⅠに認められずtypeⅡに認められるのはどれか。
- 骨萎縮
- 痛覚過敏
- 発汗異常
- 皮膚温異常
- 末神経伝導検査異常
解答解説
正解は5.末神経伝導検査異常です。
CRPS(複合性局所痛症候群)は、typeⅠ(反射性交感神経性ジストロフィー:RSD)とtypeⅡ(カウザルギー)に分類されます。この2つの違いは、明確な末梢神経損傷の有無です。typeⅠでは神経損傷が認められないのに対し、typeⅡでは末梢神経損傷が存在し、これが原因となる症状(感覚障害や末梢神経伝導検査異常)が見られます。
選択肢の解説
- 骨萎縮
骨萎縮はCRPSの特徴的な症状で、typeⅠ、typeⅡのどちらにも認められる可能性があります。骨代謝異常による骨萎縮(Sudeck骨萎縮)がよく知られています。この選択肢は誤りです。 - 痛覚過敏
痛覚過敏(アロディニア)はCRPSの主な症状で、typeⅠとtypeⅡのどちらにも見られます。この選択肢は誤りです。 - 発汗異常
自律神経障害の一つである発汗異常もCRPSの共通の特徴であり、typeⅠとtypeⅡのどちらにも認められます。この選択肢は誤りです。 - 皮膚温異常
自律神経障害による血流異常から皮膚温の異常が生じることがあり、これもtypeⅠとtypeⅡのどちらにも認められる症状です。この選択肢は誤りです。 - 末神経伝導検査異常
typeⅡでは明確な末梢神経損傷が存在するため、末神経伝導検査で異常が認められます。一方、typeⅠでは神経損傷がなく、この異常は認められません。これがtypeⅠとtypeⅡの明確な違いです。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
CRPSのtypeⅠとtypeⅡの違いは、「明確な末梢神経損傷があるかどうか」がポイントです。typeⅠは神経損傷を伴わないが、痛みや自律神経異常が出現する一方、typeⅡは神経損傷を伴い、伝導検査異常や明確な神経症状が確認されます。この違いを押さえておくことで、国家試験や臨床現場での判断がしやすくなります。