第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題21

ICFで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 各構成要素は相互に関連している。
  2. 障害を有した人のみが対象である。
  3. ICFコアセットでは全コードを評価する。
  4. ライフスタイルは環境因子の一つである。
  5. 活動と参加の第一評価点は実行状況を表す。

解答解説

正解は1.各構成要素は相互に関連している5.活動と参加の第一評価点は実行状況を表すです。

ICF(国際生活機能分類)は、健康状態を多面的に評価する枠組みで、機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子などの構成要素があり、これらは相互に影響し合います。また、活動と参加については、実行状況(現実に行っている状況)と能力(理想的条件下での能力)を区別して評価します。

選択肢の解説

  1. 各構成要素は相互に関連している。
    ICFの構成要素(身体機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子)は相互に関連し、健康状態全体に影響を与えます。例えば、環境因子が活動や参加に影響を与えるなど、相互作用があることが特徴です。正しい選択肢です。
  2. 障害を有した人のみが対象である。
    ICFは、障害を持つ人だけでなく、健康な人も含めたすべての人を対象にしています。生活機能全体を評価する枠組みであり、障害の有無にかかわらず適用されます。この選択肢は誤りです。
  3. ICFコアセットでは全コードを評価する。
    ICFコアセットは、特定の疾患や障害に関連する主要なコードに絞って評価する枠組みです。ICF全コードを評価するものではありません。この選択肢は誤りです。
  4. ライフスタイルは環境因子の一つである。
    ライフスタイルはICFでは個人因子に含まれます。環境因子は、周囲の物理的・社会的・態度的な環境を指し、ライフスタイルはこれには該当しません。この選択肢は誤りです。
  5. 活動と参加の第一評価点は実行状況を表す。
    活動と参加は、現実に行っている「実行状況」と、理想的条件下での「能力」を評価します。ICFの第一評価点は「実行状況」を示しており、これは正しい選択肢です。

ワンポイントアドバイス

ICFは、健康や障害を包括的に捉える枠組みであり、すべての人に適用されます。特に、構成要素間の相互作用や、活動と参加の「実行状況」と「能力」の違いを正確に理解することが重要です。また、環境因子と個人因子の違いを明確に覚えておきましょう。