脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。
- Frenkel体操が有効である
- 視野障害を伴うことが多い
- 包括的な評価指標にSARAがある
- 有病率は人口10万人あたり100人である
- 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が多い
解答解説
正解は 1. Frenkel体操が有効である と 3. 包括的な評価指標にSARAがある です。
**脊髄小脳変性症(SCD)**は、小脳の変性による運動失調を主症状とする神経変性疾患群です。運動失調に対するリハビリテーションとして、Frenkel体操が有効であり、評価指標としてSARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)が広く使用されています。
各選択肢の解説
- Frenkel体操が有効である(正解)
Frenkel体操は、運動失調に対するリハビリ法として古くから用いられており、視覚的フィードバックを利用して協調運動を促進します。脊髄小脳変性症のリハビリに効果的です。 - 視野障害を伴うことが多い
脊髄小脳変性症では視野障害は一般的ではありません。主な症状は運動失調や平衡障害、発語障害であり、視野障害は特定の病型や合併症がある場合に限られます。 - 包括的な評価指標にSARAがある(正解)
SARAは、運動失調の重症度を定量的に評価するスコアリングシステムで、小脳機能障害を包括的に評価します。リハビリテーションの効果判定にも使用されます。 - 有病率は人口10万人あたり100人である
脊髄小脳変性症の有病率は、人口10万人あたり1~5人程度とされており、100人という記述は過大な値です。 - 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が多い
自律神経障害はむしろ非遺伝性(特にMSA:多系統萎縮症)で多くみられる特徴であり、遺伝性疾患では頻度が低いです。
ワンポイントアドバイス
脊髄小脳変性症のリハビリテーションでは、運動失調の改善を目的としたFrenkel体操やバランス訓練が中心です。SARAなどの定量的な評価指標を用いることで、症状の進行やリハビリの効果を客観的に評価することが可能です。視覚的フィードバックの活用や個別化された介入計画が重要です。