第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題47

QOL評価尺度はどれか。

  1. TMT
  2. SF-36
  3. Katz Index
  4. ESCROW Profile
  5. 老研式活動能力指標

解答解説

正解は 2. SF-36 です。

SF-36(Short Form-36 Health Survey)は、QOL(生活の質)を評価する尺度として広く使用されています。身体的健康、心理的健康、社会的機能、役割制限など8つの領域を評価する自己記入式の質問票であり、総合的な健康状態や生活の質の測定に適しています。

各選択肢の解説

  1. TMT(Trail Making Test)
    TMTは認知機能や注意力を評価する神経心理学的検査です。主に高次脳機能障害の評価に使用され、QOL評価尺度ではありません。
  2. SF-36(正解)
    SF-36は身体的・精神的健康に関連する広範な領域を網羅したQOL評価尺度です。多くの疾患や健康状態で適用可能で、臨床研究や疫学研究でも使用されます。
  3. Katz Index
    Katz Indexは、ADL(Activities of Daily Living、日常生活動作)の評価尺度であり、主に高齢者の機能的自立度を測定します。QOLそのものを評価する尺度ではありません。
  4. ESCROW Profile
    ESCROW Profileはリハビリテーションの治療効果を評価するためのプロファイルで、身体機能や心理社会的適応を主に測定します。QOL評価に特化していません。
  5. 老研式活動能力指標
    老研式活動能力指標は、高齢者の身体的活動能力を評価する日本の尺度で、主に機能的自立度に焦点を当てています。QOL全般の評価尺度ではありません。

ワンポイントアドバイス

QOLを評価する際には、SF-36以外にもWHO-QOLやEQ-5Dといった国際的に使用される尺度があります。疾患や研究目的に応じて適切な尺度を選択することが重要です。特にSF-36は汎用性が高いので、特徴をしっかり押さえておきましょう。