第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題13

80歳の男性。両膝痛のため、自宅内で自走用標準型車椅子を使用することとなったが、廊下幅が狭く、方向転換ができないと相談があった。現在使用している車椅子で180度方向転換が可能となる最小の廊下幅は何cmか。ただし、使用する車椅子は全幅70cm、全長120cmとする。

  1. 90
  2. 120
  3. 140
  4. 180
  5. 200

解答解説

正解は3. 140です。

車椅子が180度方向転換を行うには、車椅子の全長(120cm)を直径とした円が回転可能なスペースが必要です。このため、直径に相当する廊下幅が確保される必要があります。70cmの全幅に基づき、斜め方向での動きを考慮して最小の幅は約140cmとされています。

各選択肢の解説

  1. 90
    90cmでは車椅子の全幅(70cm)は通過可能ですが、180度方向転換を行うスペースは確保できません。
  2. 120
    120cmは車椅子の全長と同じですが、方向転換にはさらに幅が必要です。この値では不十分です。
  3. 140
    正解です。全長120cmを基準とし、少し余裕を持たせた140cmが最小の廊下幅となります。実際にはこれが一般的に必要なスペースとされます。
  4. 180
    180cmは方向転換には十分なスペースですが、最小幅としては過剰です。
  5. 200
    200cmも十分すぎるスペースであり、必要最小限ではありません。

ワンポイントアドバイス

車椅子の回転半径や廊下幅を計算する際には、全長や全幅を基準に円の直径をイメージすることが重要です。特に方向転換を考慮する際、必要なスペースを事前に確認し、居住環境を適切に調整することが求められます。