第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題38

大腿切断術後の切断肢で股関節の屈曲拘縮予防が図れる肢位はどれか。

1.腹臥位
2.長時間の車椅子座位
3.大腿下に枕を入れた背臥位
4.股関節・膝関節屈曲位の側臥位
5.両大腿部内側に枕を入れた背臥位

解答解説

正解は 1.腹臥位 です。

  • 腹臥位は、大腿切断術後に股関節の屈曲拘縮を予防するために有効な肢位です。腹臥位を取ることで股関節が自然に伸展位に保たれるため、股関節が屈曲した状態で固まるのを防ぎます。切断術後は股関節の屈曲拘縮が起こりやすいため、積極的に腹臥位を取ることが拘縮予防に効果的です。

選択肢の解説

2.長時間の車椅子座位
誤りです。長時間の車椅子座位は、股関節が屈曲した状態が続くため、股関節屈曲拘縮を引き起こすリスクが高まります。座位は股関節を約90度屈曲させた肢位であるため、拘縮予防には適していません。

3.大腿下に枕を入れた背臥位
誤りです。背臥位で大腿下に枕を入れると、股関節が軽度屈曲した状態が保たれるため、屈曲拘縮のリスクが高まります。背臥位では、枕を入れずに下肢をできるだけ伸展させることが推奨されます。

4.股関節・膝関節屈曲位の側臥位
誤りです。股関節と膝関節が屈曲した状態での側臥位は、股関節の屈曲拘縮を引き起こしやすいため、予防には不適です。拘縮を防ぐためには、股関節と膝関節を伸展した姿勢を保つことが重要です。

5.両大腿部内側に枕を入れた背臥位
誤りです。両大腿部の内側に枕を入れることは股関節の内転や外転の拘縮予防には役立つことがありますが、屈曲拘縮の予防には効果的ではありません。股関節を伸展位で保つためには、腹臥位がより適しています。

ワンポイントアドバイス

大腿切断術後には股関節が屈曲拘縮しやすいため、拘縮予防には腹臥位や股関節を伸展させた背臥位が効果的です。特に、腹臥位は股関節を伸展位で保つことができるため、拘縮予防に重要な肢位として推奨されています。