第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題71

肩甲骨の上方回旋に作用する筋はどれか。

  1. 広背筋
  2. 前鋸筋
  3. 菱形筋
  4. 肩甲下筋
  5. 肩甲挙筋

解答解説

正解は2です。

前鋸筋は、肩甲骨を外側に引き、上方回旋に作用します。上方回旋は、腕を挙げる際に肩甲骨が胸郭上を滑って行う運動であり、前鋸筋と僧帽筋(上部および下部)が共同してこの動きを作ります。

各選択肢の解説

  1. 広背筋
    広背筋は肩甲骨の動きではなく、主に肩関節の内転や伸展に関与します。上方回旋には関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. 前鋸筋(正解)
    正しい選択肢です。前鋸筋は肩甲骨を前外方に引き、僧帽筋とともに肩甲骨の上方回旋をサポートします。この筋は腕を挙げる際に重要な役割を果たします。
  3. 菱形筋
    菱形筋は肩甲骨を内側に引き寄せ、下方回旋に関与します。上方回旋には関与しません。この選択肢は誤りです。
  4. 肩甲下筋
    肩甲下筋は肩関節の内旋に作用し、肩甲骨の回旋には直接関与しません。この選択肢は誤りです。
  5. 肩甲挙筋
    肩甲挙筋は肩甲骨を上方に引き上げますが、下方回旋を助ける筋であり、上方回旋には関与しません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

肩甲骨の回旋運動は次のように整理すると覚えやすいです:

  • 上方回旋:前鋸筋、僧帽筋(上部・下部)。
  • 下方回旋:菱形筋、肩甲挙筋、小胸筋。

肩甲骨の回旋は肩関節の可動域を広げる重要な要素であり、日常動作やスポーツ動作において重要な役割を果たします。