第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題72

膝関節屈曲と足関節底屈の両方に作用する筋はどれか。

  1. 足の長指屈筋
  2. 後脛骨筋
  3. 膝窩筋
  4. 足底筋
  5. 腓腹筋

解答解説

正解は4と5です。

足底筋腓腹筋は、膝関節を屈曲し、足関節を底屈させる作用を持つ筋です。これらの筋は下腿後面に位置し、二関節筋として働きます。

各選択肢の解説

  1. 足の長指屈筋
    足の長指屈筋は、主に足趾の屈曲と足関節底屈に作用しますが、膝関節の屈曲には関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. 後脛骨筋
    後脛骨筋は足関節の底屈と内反に関与しますが、膝関節の動きには影響しません。この選択肢は誤りです。
  3. 膝窩筋
    膝窩筋は膝関節の屈曲やロック解除(外旋の解消)に関与しますが、足関節の底屈には作用しません。この選択肢は誤りです。
  4. 足底筋(正解)
    正しい選択肢です。足底筋は膝関節を屈曲し、足関節を弱く底屈させる作用を持つ筋で、腓腹筋とともに働きます。
  5. 腓腹筋(正解)
    正しい選択肢です。腓腹筋は膝関節の屈曲と足関節の底屈を担う主な筋の一つです。下腿三頭筋の一部として、日常動作や運動時に重要な役割を果たします。

ワンポイントアドバイス

二関節筋は複数の関節にまたがって作用するため、関節の動きとの関連性を覚えることが重要です。

  • 膝関節屈曲と足関節底屈:腓腹筋、足底筋。
  • 足関節の底屈のみ:後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋。

解剖学的構造と機能を関連付けて覚えることで、理解が深まります。