第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題70

筋と作用の組合せで正しいのはどれか。

  1. 頰筋      頰をふくらませる。
  2. 咬筋      下顎を引き下げる。
  3. 前頭筋     眉を持ち上げる。
  4. 側頭筋     下顎を持ち上げる。
  5. 内側翼突筋   唇をすぼめる。

解答解説

正解は3と4です。

前頭筋は眉を持ち上げる筋であり、表情を作る際に重要な役割を果たします。
側頭筋は咀嚼筋の一つで、下顎を持ち上げて口を閉じる動きを担います。

各選択肢の解説

  1. 頰筋 頰をふくらませる。
    頰筋は頬をすぼめる働きを持つ筋であり、空気を口の中で圧縮する動きに関与します。頬をふくらませるのは主に表情筋の他の筋群が関与するため、この選択肢は誤りです。
  2. 咬筋 下顎を引き下げる。
    咬筋は下顎を引き上げて噛む動作を行う筋であり、下顎を引き下げる動きには関与しません。この選択肢は誤りです。
  3. 前頭筋 眉を持ち上げる。(正解)
    正しい選択肢です。前頭筋は額に位置し、眉を持ち上げることで驚きや関心の表情を作ります。
  4. 側頭筋 下顎を持ち上げる。(正解)
    正しい選択肢です。側頭筋は下顎を引き上げて噛む力を発生させる咀嚼筋の一つです。
  5. 内側翼突筋 唇をすぼめる。
    内側翼突筋は、下顎を閉じる動きに関与する筋で、唇をすぼめる作用はありません。唇をすぼめるのは口輪筋が主に担います。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

筋の作用を正確に覚えるには、以下のような分類が役立ちます:

  • 咀嚼筋:側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋(主に下顎の運動を調節)。
  • 表情筋:前頭筋、頰筋、口輪筋など(表情の変化に関与)。

筋名から位置や機能をイメージすると、解答に結びつけやすくなります。