近位尿細管に分泌されるのはどれか。
- H⁺
- K⁺
- Na⁺
- Ca²⁺
- HCO₃⁻(重炭酸イオン)
解答解説
正解は1です。
近位尿細管ではH⁺(水素イオン)が分泌されます。これは主に酸塩基平衡を調節するための重要な機能であり、H⁺の分泌と同時にHCO₃⁻(重炭酸イオン)が再吸収され、血液のpHを維持します。
各選択肢の解説
- H⁺(正解)
正しい選択肢です。H⁺は近位尿細管で分泌され、尿中に排出されることで酸塩基平衡が維持されます。この分泌にはNa⁺/H⁺交換輸送体が関与しています。 - K⁺
K⁺(カリウムイオン)は主に集合管で分泌されます。アルドステロンによる調節を受けるため、近位尿細管ではK⁺の分泌は行われません。この選択肢は誤りです。 - Na⁺
Na⁺(ナトリウムイオン)は近位尿細管で再吸収される成分であり、分泌されることはありません。この選択肢は誤りです。 - Ca²⁺
Ca²⁺(カルシウムイオン)は主に再吸収される成分であり、近位尿細管で分泌されることはありません。この選択肢は誤りです。 - HCO₃⁻(重炭酸イオン)
HCO₃⁻は近位尿細管で再吸収される成分であり、分泌はされません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
腎臓の各部位での主な役割を覚えると理解が深まります:
- 近位尿細管:H⁺の分泌、Na⁺、HCO₃⁻、グルコース、アミノ酸の再吸収。
- ヘンレ係蹄:水とNa⁺の選択的再吸収。
- 遠位尿細管および集合管:アルドステロンやバソプレシンによるNa⁺、水、K⁺の調節。
酸塩基平衡では、H⁺の分泌とHCO₃⁻の再吸収が重要な役割を果たします。