唾液分泌について正しいのはどれか。
- 1日の分泌量は約100 mLである。
- 分泌速度が増すとpHは低下する。
- 加齢により分泌量は増加する。
- 唾液分泌中枢は中脳にある。
- 糖質を分解する。
解答解説
正解は5です。
唾液には、アミラーゼ(プチアリン)という酵素が含まれ、糖質(主にデンプン)を分解して麦芽糖などに変えます。この消化作用は唾液の重要な役割の一つです。
各選択肢の解説
- 1日の分泌量は約100 mLである。
唾液の1日の分泌量は約1〜1.5 Lであり、100 mLは明らかに少なすぎます。この選択肢は誤りです。 - 分泌速度が増すとpHは低下する。
唾液分泌速度が増すと、重炭酸イオン(HCO₃⁻)の濃度が増加するため、pHはむしろ中性から弱アルカリ性に近づきます。この選択肢は誤りです。 - 加齢により分泌量は増加する。
加齢により唾液腺の機能が低下し、唾液分泌量はむしろ減少する傾向があります。この選択肢は誤りです。 - 唾液分泌中枢は中脳にある。
唾液分泌の中枢は、中脳ではなく延髄にあります。この選択肢は誤りです。 - 糖質を分解する。
正しい選択肢です。唾液にはアミラーゼが含まれ、糖質(デンプンなど)を分解する機能があります。
ワンポイントアドバイス
唾液の役割には、以下のような機能が含まれます:
- 消化作用:アミラーゼによる糖質分解。
- 潤滑作用:食物を湿らせ、嚥下を助ける。
- 抗菌作用:リゾチームやIgAによる感染防御。
- 緩衝作用:酸を中和して口腔内を保護。
唾液の分泌量やpHの変化は、食事や自律神経の活動(副交感神経の亢進)とも密接に関係しており、口腔衛生や消化機能において重要です。