第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題89

原発性骨粗鬆症について正しいのはどれか。

  1. 男性に多い。
  2. 海綿骨の減少を伴う。
  3. 喫煙は危険因子である。
  4. 低カルシウム血症を伴う。
  5. 骨折好発部位は尺骨である。

解答解説

正解は2. 海綿骨の減少を伴う3. 喫煙は危険因子であるです。

原発性骨粗鬆症は加齢や閉経に伴うホルモンバランスの変化が原因で起こる疾患です。主に骨密度の減少による骨強度の低下を特徴とし、特に海綿骨の減少が顕著です。また、喫煙は骨密度を低下させる要因として知られています。

各選択肢の解説

  1. 男性に多い。
    原発性骨粗鬆症は閉経後の女性に多くみられます(閉経後骨粗鬆症)。男性に多いわけではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 海綿骨の減少を伴う。(正解)
    骨粗鬆症では、特に海綿骨の減少が顕著で、これが骨折のリスクを増加させます。代表的な好発部位(椎体や大腿骨近位部)は、海綿骨が豊富な部位です。この選択肢は正しいです。
  3. 喫煙は危険因子である。(正解)
    喫煙は骨密度を低下させる重要な危険因子の一つです。喫煙により骨吸収が増加し、骨形成が抑制されるため、骨粗鬆症のリスクが上昇します。この選択肢は正しいです。
  4. 低カルシウム血症を伴う。
    原発性骨粗鬆症では通常、血清カルシウム濃度は正常に保たれています。低カルシウム血症は、副甲状腺機能低下症やビタミンD欠乏症などに伴う骨代謝異常でみられる特徴です。この選択肢は誤りです。
  5. 骨折好発部位は尺骨である。
    骨粗鬆症による骨折は、椎体骨折大腿骨近位部骨折橈骨遠位端骨折が好発部位です。尺骨骨折は骨粗鬆症の典型的な部位ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

原発性骨粗鬆症の特徴を整理して覚えましょう:

  • 原因:加齢(高齢期骨粗鬆症)、閉経(閉経後骨粗鬆症)。
  • 好発部位:椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端。
  • 危険因子:加齢、閉経、喫煙、飲酒、低活動度、カルシウムやビタミンD摂取不足。

危険因子と典型的な骨折部位を覚えると試験でも役立ちます。